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プレスリリース 2022 年 6 月 6 日

Apple、アプリケーション体験を前進させる、さらにパワフルなテクノロジーをデベロッパに提供

新しいAPIが、より深いプラットフォーム統合とより優れた機能をサードパーティのアプリケーションに提供します
MacBook ProでのXcode
Appleデベロッパは、パワフルな新しいツール、テクノロジー、APIを利用して、驚くようなアプリケーション体験を作り出せるようになります。
カリフォルニア州クパティーノ Appleは本日、デベロッパがユーザーのためにより豊かな体験を作り出せるように設計された、新しいツール、テクノロジー、APIを発表しました。ロック画面のウィジェットは、デベロッパがアプリケーションからの重要な情報を新しい方法で表示できるようにし、一方、Appleの各種プラットフォームにわたるその他の新しいAPIは、さらにユニークな機能を構築するために役立ちます。WeatherKitはデベロッパがApple Weatherの予報データをアプリケーションに直接統合できるようにします。また、Xcode Cloud(Xcodeに組み込まれた、Appleの継続的な統合と配信のためのサービス)はすべてのApple Developer Programメンバーが利用できるようになり、より高品質なアプリケーションをより迅速に作成するために役立ちます。Metal 3によりゲームのデベロッパは高速なパフォーマンスで目の覚めるようなグラフィックスを作成でき、Swift、SwiftUI、Xcodeの改良によってAppleのプラットフォーム向けの開発がさらに直感的になります。また、SKAdNetworkの改良によって、広告ネットワークとデベロッパはユーザーのプライバシーを保護しながら、広告のパフォーマンスをより良く測定できます。
「Appleは、デベロッパコミュニティとコラボレーションし、デベロッパの皆さんが次の素晴らしい世代のアプリケーションを構築できるよう新たな革新的テクノロジーを提供することを大切にしています。ロック画面のウィジェットに対応するパワフルな新しいAPI、WeatherKitなどの新しいサービス、すべてのAppleデベロッパがアプリケーションをより迅速に構築できるよう支援するXcode Cloudの提供、Metal 3による新しいゲーム機能によって、デベロッパの皆さんは、ユーザーが満足するアプリケーション体験を作り出すためにこれまで以上に多くのツールを利用できるようになります」と、Appleのワールドワイドデベロッパリレーションズ、エンタープライズおよびエディケーションマーケティング担当バイスプレジデント、スーザン・プレスコットは述べています。

Xcode Cloudの提供開始

新たに提供開始となるXcode Cloudは、デベロッパのニーズに最も合うように幅広いサブスクリプションプランを用意しています。Apple Developer Programの全メンバーを対象に、2023年12月まで毎月25時間が無料のものから、最大で毎月1,000時間のものまであります。
Xcodeに組み込まれているXcode Cloudは、Appleデベロッパのため特別に設計された、継続的な統合と配信のためのクラウドサービスです。デベロッパのMacをほかのタスクに使えるようにアプリケーションのビルドは自動的にクラウド内で行われ、あらゆる規模のデベロッパとチームは高品質のアプリケーションのビルド、テスト、配信をさらに効率的に行うことができます。さらに、クラウド内で行われる並列テストにより、デベロッパは現在提供されているすべてのAppleデバイスをシミュレーションしたバージョンでテストを行い、内部テストのためにビルドを簡単に展開したり、TestFlightを通してベータ版テスターに配信したりすることができます。
デベロッパはXcode Cloudで利用できるプランの詳しい情報をこちらでご覧いただけます。
MacBook ProでのXcode Cloud。
Xcode Cloudは、デベロッパが素晴らしいアプリケーションをさらに迅速にビルドするのに役立ちます。

Xcode 14の改良

Xcode 14は、デベロッパの生産性をさらに高めるための新しい機能強化を搭載しています。改良された並列処理によってプロジェクトのビルドが最大25パーセント速く、ダウンロードするXcodeアプリケーションは30パーセント小さくなりました。watchOSとtvOS用のシミュレータランタイムはダウンロードにより提供されます。新しいマルチプラットフォームターゲットは、iOS、iPadOS、macOS、tvOSにまたがって使用できる単一のSwiftUIインターフェイスを作成します。デベロッパのコードは保守がより容易でありながら、各プラットフォーム固有の機能を活用するための高度なカスタマイズが可能です。XcodeではSwiftUIのライブプレビューがデフォルトでインタラクティブになり、変更が即座に表示されるようになります。デベロッパはコードを書くことなく、配色、テキストサイズ、デバイスの向き、またはアクセシビリティモードを変更して、各プレビューのバリエーションを作成できます。アセットカタログの新しいアプリケーションアイコン機能により、デベロッパはすべてのプラットフォームに対応する1つのアイコンサイズを提供でき、Xcodeがアプリケーションに必要なアセットをすべて自動的に生成します。Xcodeは、より賢くなったオートコンプリートによる言語と編集の機能強化に加え、デベロッパが目的のコードをより迅速に作成できる追加の動的スニペットも搭載しています。
MacBook ProでのXcode 14。
Xcode 14は、新たな改良によってデベロッパの生産性をさらに高めます。

新しいゲーム機能

Metal 3は、Appleのグラフィックフレームワークの最新バージョンで、ゲームデベロッパがAppleシリコンの能力を活用して、より優れたゲームパフォーマンスを実現する新機能を搭載しています。MetalFX Upscalingにより、デベロッパはより演算負荷の低いフレームを使用して複雑なシーンをすばやく描画してから、高品質の空間アップスケーリングと時間的アンチエイリアシングを適用できます。これによってパフォーマンスが加速し、より良い反応と驚くほど美しいグラフィックスを体験できるゲームになります。ゲームデベロッパは、ストレージからGPUへのダイレクトパスをより多く提供することで待機時間を最小限にする、新しいFast Resource Loading APIによる利点も享受できるので、ゲームは、リアルで没入感のあるゲームプレイのための広大なワールドの作成に必要な、高品質のテクスチャやジオメトリに簡単にアクセスできます。
ゲームデベロッパはGame Centerとの統合によりダッシュボードにアクティビティビューを追加できるようになり、ユーザーは友達がどのゲームをプレイしているかを見たり、友達のハイスコアを表示したりすることが可能になります。また、SharePlayのサポートにより、ユーザー同士がリアルタイムで一緒にプレイするのがこれまで以上に簡単になります。
Metal 3はAppleシリコンの可能性を完全に解き放つ新機能を搭載しています。

SwiftとSwiftUIの機能強化

SwiftとSwiftUIは、アプリケーションのビルドに最善の方法を提供し、開発プロセスを効率化する新機能を搭載しています。
Swiftにパワフルな文字列処理機能が追加されて新しい正規表現リテラルのサポートが言語に直接組み込まれ、デベロッパは正規表現の正しさをすばやく確認でき、より少ないコードで情報を抽出できます。Swift Package Managerで利用可能な新しいパッケージプラグインにより、デベロッパはプロジェクト上でカスタムコマンドをさらに簡単に実行し、コマンドをアップロードしてほかのユーザーと共有することも可能になります。
SwiftUIは、Appleの次世代ユーザーインターフェイスフレームワークで、強化されたナビゲーションAPIを備えており、デベロッパはアプリケーションがビューからビューに移動する方法をより簡単に制御できます。カスタムレイアウトにより、デベロッパは一般的なアプリケーションレイアウトを発展させて、アプリケーションのデザインに合わせた最適なバージョンを作成できます。さらに、Swift Chartsはほとんどすべてのグラフ作成のニーズに合わせてカスタマイズできるので、デベロッパはアプリケーションのデータをより良く視覚化できます。
MacBook ProでのSwiftUIのコーディング。
SwiftとSwiftUIはどちらも大きな飛躍を遂げています。

WeatherKitの紹介

WeatherKitにより、デベロッパはApple Weatherで使われている世界トップクラスのグローバルな天気予報をアプリケーションに直接統合できるようになります。高解像度の気象モデルを機械学習および予測アルゴリズムと組み合わせて使用することで、Apple Weatherは現在の天気、10日間の毎時予報、毎日の予報、過去の天気を提供します1。WeatherKitはネイティブのSwiftとREST APIの両方を通じてデベロッパに提供され、毎月50万件のAPIコールがApple Developer Programメンバーシップに含まれて付属します。さらに多くを必要とするデベロッパは、今年秋からApple Developerアプリケーションで追加のサービスのティアを直接ご購入いただけます。
デベロッパはWeatherKitについて利用できるプランの詳しい情報を、こちらでご覧いただけます。

プライバシーを重視した広告測定のアプローチ

SKAdNetwork APIは、広告ネットワークと広告主がユーザーのプライバシーを保護しながら、アプリケーションまたはウェブでの広告パフォーマンスをより良く測定できるように設計された新機能を搭載しています。階層ソースIDは、アプリケーションにまたがる個人のトラッキングが行われるリスクを増やすことなく、デベロッパがキャンペーンを最適化する能力を高めます。また、SKAdNetworkは階層コンバージョン値を提供しており、デベロッパは小規模なキャンペーンでのコンバージョンに関して、より多くの情報を取得できます。さらにデベロッパは、定義された時間枠で複数のコンバージョンを指定することで、広告費用に対する効果をより良く計算できます。

さらにパワフルなアプリケーションのための新しいAPI

Appleデベロッパは、ユーザーが満足するアプリケーション体験を作り出すために、これまで以上に多くのAPIを利用できます。デベロッパが利用可能な最新のAPIには、以下のものがあります。
  • ロック画面のウィジェット:iOS 16ではiPhoneのロック画面でウィジェットが使用可能になり、デベロッパはロック画面のウィジェットと、同じ新しいWidgetKit APIをベースにするApple Watchのコンプリケーションとの間で、同じコードをシームレスに共有できるようになります。
  • 「テキスト認識表示」:デベロッパは、アプリケーションで検出した写真やビデオから、またはライブカメラフィードを通じて、テキストを直接取り込む機能をユーザーに提供できるようになります。「テキスト認識表示」は、より優れたユーザープライバシーとパフォーマンスが得られるようにデバイス上で処理されます。
  • コラボレーションツール:メッセージアプリケーションに組み込まれている豊富なコラボレーション機能が、サードパーティのアプリケーションでも利用可能になります。デベロッパはまた、ユーザーがアプリケーションからメッセージを通じて共有したコンテンツを、アプリケーションの新しい「あなたと共有」セクションでハイライトでき、受信者はより簡単に、後からそのコンテンツに戻ることができます。
  • パスキー:パスキーは次世代のクレデンシャルで、より安全で、より使いやすく、ウェブ上での場合と同じように簡単にアプリケーション内で動作するように設計されています。
  • MapKit:サードパーティのアプリケーションに、より豊かなユーザー体験のための詳細な都市の3D体験とLook Aroundを組み込むことができます。新しいApple Maps Server APIが、より迅速でより簡単なマップの統合を提供します。
  • 集中モードフィルタ:デベロッパは、ユーザーの現在の集中モードに基づいて、アプリケーションのコンテンツを調整できます。
  • 自動ショートカット:デベロッパは、App Intentsを使用することで、アプリケーションを、ユーザーが設定しなくてもSiriおよびショートカットと組み合わせて使えるようにできます。
  • watchOS 9:VoIP通話がCallKitでサポートされるようになります。共有シートにより、ユーザーはお気に入りのアプリケーションから、iMessageやその他の一般的なメッセージアプリケーションに直接コンテンツを共有できます。サードパーティのアプリケーションで、写真ピッカーを使用した写真アプリケーションへのアクセス、さらにApple TVとの統合が可能になります。
  • RoomPlan:ARKitにより、デベロッパはiPhoneとiPadでLiDARスキャナを利用して、家具の寸法やタイプなどの特性を含めた部屋の3Dフロアプランを作成することができます。
  • ライブアクティビティ:WidgetKitを使用して、デベロッパはユーザーが常に最新情報を把握できるように、アクティビティやイベントに関する最新情報をロック画面に直接表示することができます2
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  • 記事本文

  1. 過去の天気データは一部地域では利用できません。機能の提供状況については、developer.apple.com/jp/weatherkitをご覧ください。
  2. ライブアクティビティは、年内にデベロッパへの提供が開始されます。

本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先:

Apple Japan 広報部

press@apple.co.jp