プレスリリース
2022 年 5 月 17 日
Appleがハードウェア、ソフトウェア、機械学習のパワーを組み合わせた革新的なアクセシビリティ機能をプレビュー
今年後半に登場するソフトウェア機能は、障がいを持つユーザーにナビゲーション、健康、コミュニケーションなどのための新しいツールを提供します
カリフォルニア州クパティーノ Appleは本日、障がいを持つユーザーにナビゲートし、つながりを保ち、Apple製品を最大限に活用するための新しい方法をもたらす、革新的なソフトウェア機能をプレビューしました。これらのパワフルなアップデートは、ユーザーに独自のカスタマイズできるツールを提供するAppleの最新テクノロジーを組み合わせており、誰もが使える製品を作るというAppleの長年にわたる取り組みに基づいています。
ハードウェア、ソフトウェア、機械学習における進歩を利用して、視覚に障がいのある方々はiPhoneやiPadを使って目的地までの最後の数十センチのナビゲーションができます。身体機能に障がいのあるユーザーが、音声コントロールやスイッチコントロールのような支援機能を利用している場合は、「Apple Watchミラーリング」を使ってiPhoneからApple Watchを完全に操作できます。また、聴覚に障がいのある方々は、iPhone、iPad、Macで「ライブキャプション」を読むことができます。Appleは、業界をリードする画面読み上げ機能であるVoiceOverのサポートも拡大し、20以上の新しい言語と地域に対応します。これらの機能は、ソフトウェア・アップデートによりAppleのプラットフォーム全体で今年後半に利用可能になります。
「Appleは私たちの仕事のあらゆる側面にアクセシビリティを組み込んでおり、すべての人にとって最高の製品とサービスを設計することに取り組んでいます。Apple全社にわたるチームの革新性と創造性を組み合わせたこれらの新しい機能を導入して、ユーザーのニーズと生活に最も合う方法でApple製品を使用できるように、より多くの方法を提供できることを嬉しく思っています」と、Appleのアクセシビリティポリシーおよびイニシアティブ担当シニアディレクター、サラ・ヘルリンガーは述べています。
視覚に障がいのあるユーザー向けの「ドア検知機能」
Appleは、視覚に障がいのあるユーザー向けに最先端のナビゲーション機能である「ドア検知機能」を導入します。「ドア検知機能」は、新しい目的地に到着した際にユーザーがドアの位置を特定し、ドアまでの距離を理解できるよう支援して、ドアが開いているか閉じているか、閉じている場合に開けるにはドアを押すのか、ドアノブを回すのか、ハンドルを引くのかなどドアの情報を説明します。「ドア検知機能」は、オフィスの部屋番号や利用できる入り口のシンボルがあるかなど、ドア周辺の看板や標識を読み上げることもできます。この新しい機能は、LiDAR、カメラ、デバイス上の機械学習のパワーを組み合わせ、LiDARスキャナを備えたiPhoneモデルとiPadモデルで利用可能になります1。
「ドア検知機能」は、視覚に障がいのあるユーザーを支援するAppleの内蔵アプリケーションである拡大鏡の新しい「検知モード」で利用可能になります。「ドア検知機能」は、人の検出および画像説明と別々に使うことも、「検知モード」で同時に使うこともできます。視覚に障がいのあるユーザーにカスタマイズできるツールを備えた使いやすい機能を提供し、ナビゲーションや周囲の環境に関する十分な説明を利用できるようにします。拡大鏡内のナビゲーションツールのほかに、AppleマップはVoiceOverのユーザーに聴覚および触覚フィードバックを提供し、徒歩経路の出発地がわかるようにします。
Apple Watchの進化する身体機能に関するアクセシビリティ
Apple Watchは、ペアリングしたiPhoneからApple Watchを遠隔で操作できるようにする「Apple Watchミラーリング」により、身体機能に障がいのある方々にとってこれまでになく使いやすくなりました。「Apple Watchミラーリング」により、ユーザーはiPhoneの音声コントロールやスイッチコントロールのような支援機能を使ってApple Watchを操作できるほか、音声コマンド、サウンドアクション、ヘッドトラッキング、外部の「Made for iPhone」スイッチなどの入力を、Apple Watchのディスプレイ上でのタップの代わりに使うことができます。「Apple Watchミラーリング」は、AirPlayにおける進歩など、ハードウェアとソフトウェアの連係を利用して、これらの身体機能に依存するユーザーが血中酸素ウェルネス、心拍数、マインドフルネスなど独自のApple Watchのアプリケーションを活用できるようにします2。
さらに、ユーザーはApple Watchを操作するシンプルなハンドジェスチャーでより多くのことを行うことができます。Apple Watchの新しいクイックアクションでは、ダブルピンチジェスチャーを使って、電話の応答や終了、通知の非表示、写真の撮影、再生中のアプリケーションでのメディアの再生や一時停止、ワークアウトの開始、一時停止、再開ができます。これは、Apple WatchのAssistiveTouchで使われる革新的なテクノロジーを基盤としており、上肢に障がいのあるユーザーがディスプレイをタップしなくてもピンチやクレンチのようなジェスチャーでApple Watchを操作するための方法を提供します。
聴覚に障がいを持つユーザーのために「ライブキャプション」をiPhone、iPad、Macに導入
Appleは、聴覚に障がいを持つユーザーのために「ライブキャプション」をiPhone、iPad、Macに導入します3。ユーザーは、電話やFaceTimeの通話中、ビデオ会議やソーシャルメディアアプリケーションの使用中、メディアコンテンツのストリーミング中、あるいは近くにいる人との会話中に、あらゆる音声の内容を追いやすくなります。また、読みやすいようにフォントサイズを調整することもできます。FaceTimeの「ライブキャプション」では、自動的に文字起こしされた発言が誰の発言であるか表示されるので、聴覚に障がいを持つユーザーにとってグループビデオ通話がさらに便利になります。Macで「ライブキャプション」を使って通話をする場合は、ユーザーが入力した返事を、会話に参加しているほかの人に対してリアルタイムで読み上げるオプションもあります。また、「ライブキャプション」はデバイス上で生成されるので、ユーザー情報のプライバシーとセキュリティが保護されます。
VoiceOverに新しい言語などを追加
視覚に障がいを持つユーザー向けの、業界をリードする画面読み上げ機能であるAppleのVoiceOverが、ベンガル語、ブルガリア語、カタロニア語、ウクライナ語、ベトナム語など、20以上の追加の地域と言語に対応します4。ユーザーは、様々な言語で支援機能向けに最適化された数十の新しい声から選ぶこともできます。これらの新しい言語、地域、声はアクセシビリティ機能「選択項目の読み上げ」と「画面の読み上げ」でも利用できるようになります。さらに、MacのVoiceOverユーザーは、新しいテキストチェッカーツールを使用して、スペースの重複や大文字使用のミスなど一般的なフォーマットの問題を見つけることができるので、書類やメールの校正がさらに簡単になります。
その他の機能
- 「Buddy Controller」を使うと、ユーザーは介護者や友達にゲームのプレイを手伝ってもらうことができます。Buddy Controllerはあらゆる2つのゲームコントローラを1つに結合するので、1人のプレイヤーの操作を複数のコントローラで行うことができます。
- 「Siriの一時停止時間」を使うと、発語障がいのあるユーザーはSiriがリクエストに応答するまでの待機時間を調整できます。
- 「音声コントロールのスペリングモード」では、カスタムスペルを1文字ずつ音声入力するオプションを利用できます5。
- サウンド認識は、自宅の独自のアラーム、ドアベル、家電製品の音など、ユーザーの環境に固有のサウンドを認識するようにカスタマイズできます。
- Apple Booksアプリケーションでは新しいテーマが提供されるほか、テキストの太字化、行、文字、単語間スペースの調整といったカスタマイズオプションが導入され、読書体験がさらに利用しやすくなります。
Global Accessibility Awareness Dayを祝う
Appleは今週、特別なセッション、厳選されたコレクションなどでGlobal Accessibility Awareness Dayを祝います。
- 5月19日にカナダでSignTimeの提供が開始され、オンデマンドのアメリカ手話(ASL)通訳を使ってApple StoreとAppleサポートのお客様をつなぎます。ASLを使用する米国のお客様、イギリス手話(BSL)を使用する英国のお客様、フランス手話(LSF)を使用するフランスのお客様は、すでにSignTimeを利用できます。
- 世界中のApple Store直営店では、一週間を通じて、お客様にiPhoneのアクセシビリティ機能を発見していただくライブセッションを提供しています。また、Appleサポートのソーシャルチャネルでは使い方を紹介しています。
- 今週、MacとApple Watchのショートカットアプリケーションにアクセシビリティアシスタントのショートカットが登場し、ユーザーの好みに応じておすすめのアクセシビリティ機能を表示されます。
- 今週、Apple Fitness+では、トレーナーのバカリ・ウィリアムズがASLを使って、より多くの人がフィットネスを利用できるようにするための継続的な取り組みの一環としてユーザーが利用できる機能を紹介し、視覚に障がいを持つユーザーをサポートするために短い説明を言葉で表すオーディオヒントや、「ウォーキングの時間」と「ランニングの時間」のエピソードが車椅子ユーザー向けに「ウォーキング/プッシュの時間」と「ランニング/プッシュの時間」になることなどを紹介します。さらに、Fitness+のトレーナーがすべてのワークアウトと瞑想にASLを取り入れ、すべてのビデオに6つの言語で字幕が付き、トレーナーはユーザーが様々なレベルで参加できるように各ワークアウトのバリエーションを紹介します。
- Appleマップに、国立公園財団による新しいガイド「Park Access for All」が搭載され、ユーザーが米国中の公園を探索する際に利用できる機能、プログラム、サービスを見つけるのに役立ちます。聴覚障がい者、難聴者、盲ろう者向けの世界最高峰の大学であるギャローデット大学がによるガイドでは、聴覚障がい者のコミュニティと手話を重視し、受け入れ、優先する企業や組織を取り上げています。
- App Storeでは、アクセシビリティを重視したアプリケーションや、アプリケーションクリエイターによるパワフルなストーリーを見ることができます。Apple Booksでは、障がいのある人が書いたストーリーや障がいのある人を題材にしたストーリーを特集した「Transforming Our World」コレクションをチェックしてください。またApple Podcastでは、テクノロジーによってクリエイティブな方法でアクセシビリティが向上していることを学べます。
- Apple Musicでは「Saylists」プレイリストを特集します。これは、それぞれ異なるサウンドに焦点を当てたプレイリストのコレクションです。いずれか1つを選んで一緒に歌うことで、楽しく魅力的な方法でボーカルサウンドや言語療法の練習ができます。
- Apple TVアプリケーションでは、障がいを持つ人々の真の姿を表現した最新の人気映画と番組を特集します。さらに視聴者は、マーリー・マトリン(「Coda コーダ あいのうた」)、ローレン・リドロフ(「エターナルズ」)、セルマ・ブレア(「Introducing, Selma Blair」)、アリ・ストローカー(「クリスマス・エバー・アフター」)など、アクセシビリティコミュニティの素晴らしい俳優たちが厳選したコレクションを観ることができます。
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- 拡大鏡のドアの検知と人の検知機能を使うには、iPhone 13 Pro、iPhone 13 Pro Max、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max、11インチiPad Pro(第2世代および第3世代)、12.9インチiPad Pro(第4世代および第5世代)に搭載されているLiDARスキャナが必要です。ユーザーが危害を受けたり負傷する可能性がある環境、リスクが高い状況、緊急時は「ドア検知機能」に依存しないでください。
- Apple WatchミラーリングはApple Watch Series 6以降で利用できます。
- ライブキャプションは、iPhone 11以降、A12 Bionic以降を搭載したiPadモデル、Appleシリコンを搭載したMacで、英語(米国、カナダ)で今年後半にベータ版が利用可能になります。ライブキャプションの精度は状況によって異なる場合があるので、リスクが高い状況では依存しないでください。
- VoiceOver、選択項目の読み上げ、画面の読み上げは、アラビア語(世界)、バスク語、ベンガル語(インド)、ボージュプリー語(インド)、ブルガリア語、カタロニア語、クロアチア語、ペルシア語、フランス語(ベルギー)、ガリシア語、カンナダ語、マレー語、標準中国語(遼寧、陝西、四川)、マラーティー語、上海語(中国)、スペイン語(チリ)、スロベニア語、タミル語、テルグ語、ウクライナ語、バレンシア語、ベトナム語でも利用できるようになります。
- 音声コントロールのスペリングモードは、英語(米国)で利用できます。