プレスリリース
2021 年 6 月 7 日
Apple、iOS 15、iPadOS 15、macOS Monterey、watchOS 8でプライバシーに対する一層のリーダーシップを推進
様々な新機能がアプリケーションによるユーザーデータの使用に対するユーザーのコントロールと確認をサポート
カリフォルニア州クパティーノ Appleは本日、ユーザーが自分のデータへのアクセスをよりコントロールし管理することをサポートするiOS 15、iPadOS 15、macOS Monterey、watchOS 8のパワフルな新しいプライバシー保護のプレビューを発表しました。これらの機能はプライバシー分野のリーダーシップを牽引するAppleの中で受け継がれている革新性を体現したものです。これまでアプリケーションによるトラッキングの透明性とApp Store上のプライバシーラベルのような機能によって、プライバシーへの取り組みを継続的に拡大し、業界全体の変革を推奨してきました。
「プライバシーについては、最初からAppleでの私たちの仕事の中心にありました。私たちは毎年、ユーザーが自分のデータについてさらに管理することができて、誰と共有するかについてもよく理解した上で意思決定ができるようにする新しいテクノロジーを開発するために、最大限の努力をしています。今年のアップデートには、これまでよりもさらに詳しい洞察に富んだ情報とよりきめ細かいコントロールをユーザーに提供する革新的な機能が含まれています」と、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、クレイグ・フェデリギは述べています。
第三者からデータを保護
メールアプリケーションの「メールプライバシー保護」は、差出人が目に見えないピクセルを使ってユーザーに関する情報を収集するのを防ぎます。この新機能は、ユーザーがいつEメールを開いたかを差出人が知るのを防ぎ、ユーザーのIPアドレスをマスキングすることで、差出人がユーザーのIPアドレスをユーザーのほかのオンライン上の行動につながったり、ユーザーの位置情報を判断するために使用したりできないようにします。
何年もの間、インテリジェント・トラッキング防止機能は、ウェブサイトは正常に機能しながらもデバイス上の機械学習を使用してトラッカーを阻止することで、Safariユーザーを不要な追跡から保護してきました。今年、ユーザーのIPアドレスもトラッカーに対し隠すことで、インテリジェント・トラッキング防止機能はさらに強力になります。これは、トラッカーが複数のウェブサイトを横断する行動と結び付けたり、ユーザーに関するプロファイルを構築したり、ユーザーのIPアドレスを固有の識別子として利用することもできないということです。
アプリケーションのプライバシーをチェック
ユーザーは「アプリケーションのプライバシーレポート」で、それぞれのアプリケーションが以前付与された許可を使って過去7日間にユーザーの位置情報、写真、カメラ、マイク、連絡先にアクセスした頻度を確認することができます1。ユーザーはこれが適切かどうかチェックし、適切でない場合は「設定」で該当するアプリケーションに移動して対応することができます。ユーザーはまた、アプリケーションがやりとりしているすべての第三者のドメインを表示して、自分のデータが誰と共有されている可能性があるか確認することもできます。
Siriへのリクエスト音声をデバイス上で処理
デバイス上での音声認識により、ユーザーのリクエストの音声はデフォルトでユーザー自身のiPhoneやiPad上で処理されます。これは、音声アシスタントのプライバシーに関する最大の懸念の1つである不要な音声録音に対処するものです。アプリケーションの起動、タイマーとアラームの設定、設定の変更、音楽のコントロールなど、多くのリクエストについてのSiriの処理もデバイス上へ移行しており、インターネットに接続しなくてもリクエストを処理することが可能になっています。
iCloud+でインターネットのプライバシーを強化
iCloud+は、お客様に愛されているiCloudのすべてに、iCloud Private Relay、「メールを非公開」、拡張されたHomeKitセキュアビデオのサポートなどの数々の新しいプレミアム機能を、追加費用なしで組み合わせたものです2。
Private RelayはiCloudに組み込まれている新しいインターネットプライバシーサービスで、ユーザーはより安全でプライバシーが保護された方法でウェブに接続してブラウズできるようになります。Safariでのブラウズ時、Private Relayはユーザーのデバイスから発信されるすべてのトラフィックを確実に暗号化し、Appleやユーザーのネットワークプロバイダを含む何者もユーザーと訪問先のウェブサイトの間でのトラフィックにアクセスしたり読み取ったりできないようにします。その後、ユーザーのリクエストはすべて2つの別々のインターネットリレーを通じて送信されます。1つ目はユーザーの実際の位置情報ではなく地域に割り当てられた匿名のIPアドレスをユーザーに割り当てます。2つ目はユーザーが訪問しようとしているウェブアドレスを復号し、目的の場所にユーザーを転送します。この情報の分割によって、ユーザーと訪問先のサイトの両方が、Appleを含むどのような組織にも特定できなくなるため、ユーザーのプライバシーが保護されます。
Appleでサインインの機能を拡張した「メールを非公開」では、ユーザーはいつでも好きな時にユニークでランダムなEメールアドレスを共有し、転送して受け取ることができるので、プライベートなEメールアドレスを守ることができます。Safari、iCloudの設定、メールアプリケーションに直接組み込まれた「メールを非公開」では、ユーザーが必要な数のアドレスをいつでも作成・削除することもでき、誰がユーザーに連絡できるかをユーザー自身がコントロールするのをお手伝いします3。
iCloud+ではHomeKitセキュアビデオの内蔵サポートが拡張されるので、ユーザーはホームアプリケーションでこれまでよりも多くのカメラを接続できるようになります。同時にユーザーには自宅の防犯カメラのビデオ映像のためのエンドツーエンドで暗号化されたストレージが提供されますが、このストレージはユーザーのストレージ容量には加算されません。またHomeKitセキュアビデオは、ユーザーの防犯カメラが検知したアクティビティを自宅のApple製デバイスで分析して暗号化したあとで、iCloudに安全に保存します。
ユーザーとデベロッパ向けのその他の機能
これらのリリースには、デベロッパがユーザーのプライバシーを保護しながらユーザーのための機能を強化できるようにする、パワフルな新しいツールも含まれています。
- 「現在地の共有」では、ユーザーは、現在の位置情報をアプリケーションと一度だけ簡単に共有し、セッション後はデベロッパがアクセスできないようにすることができます。デベロッパは「現在地の共有」ボタンをカスタマイズして自分のアプリケーションに直接統合できます。
- 「強化された写真への限定アクセス」により、ユーザーによってアクセス制限されている場合でも、デベロッパは特定アルバムの最新の写真フォルダのようなスマートな機能を提供できます。
- 「セキュアペースト」では、デベロッパはユーザーがコピーした内容にアクセスすることなしに、ユーザーが別のアプリケーションからデベロッパのアプリケーションにペーストするまで中身を見られないようにできます。デベロッパが「セキュアペースト」を使うと、ユーザーは「セキュアペースト」から通知されることなくペーストできるようになり、ユーザーに安心感を提供することができます。
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iOS 15、iPadOS 15、macOS Monterey、watchOS 8の様々な新しいプライバシー機能の画像
- 1.「アプリケーションのプライバシーレポート」は、ソフトウェアアップデートの一部としてiOS 15、iPadOS 15、watchOS 8で提供予定です。2. iCloud+には、50GB(HomeKitセキュアビデオカメラ1台で月額0.99ドル)、200GB(HomeKitセキュアビデオカメラ5台までで月額2.99ドル)、2TB(HomeKitセキュアビデオカメラの台数無制限で月額9.99ドル)のプランがあります。3.「メールを非公開」はソフトウェアアップデートの一部としてiOS 15、iPadOS 15、macOS MontereyのメールアプリケーションとiCloud.comで提供予定です。