オンタリオ州北東地区教育委員会
オンタリオ州(カナダ)
iPadで、 生徒 一人ひとりの
可能性を 解き放つ。
オンタリオ州北部の約1,000平方キロメートルにわたる地方を管轄するオンタリオ州北東地区教育委員会(DSB1)は、ある重要なミッションに取り組んでいます。それは、地区内の33の学校の7,300人の生徒たちが、それぞれの得意分野で実力を存分に発揮できるようにすることです。この地区には、幼稚園児から高校生まで、非常に多様な生徒たちが在籍しています。生徒の3分の1は特別な支援を必要としており、さらに別の3分の1は先住民としてのアイデンティティを持っています。これら2つのグループはほとんど重なっていません。そのため、この地区の生徒一人ひとりの可能性を引き出すのは、簡単なことではないの
2014年、数名の教師が、iPadを授業で活用しようという自主的な取り組みを始めました。iPadには様々なアクセシビリティ機能や学習ツールが備わっており、また一人ひとりに合わせた創造的な学びを促進してくれる可能性があったからです。iPadを導入したことで、生徒たちはオリジナルのコンテンツを記録・編集したり、プレゼンテーションを作成したり、作文を書くことなどが可能になりました。そのうえ、生徒たちの情報やプライバシーも保護されています。こうした機能のおかげで、生徒たちは自分らしく意味のある方法で自らの考えや知識を表現できるようになりま
2015年の春、ある生徒のグループがDSB1の理事会でプレゼンテーションを行い、この地区内でiPadを学習ツールとして選択できるようにするための支持を訴えました。生徒たちがiPadの柔軟性や使いやすさ、クリエイティブな機能を実演すると、理事たちは生徒の熱意に心を動かされ、学んだ内容を様々な方法で表現できることにも感銘を受けま
iPadの可能性を認識した理事会は、DSB1のiPadプログラムの立ち上げに必要な財政投資を行うことをただちに決定しました。そして2015年の秋には、4年生から12年生までの生徒を対象に1人1台のiPadの配布が開始され、さらに2021年には幼稚園から3年生の生徒にも対象が拡大されました。これにより、地区内のすべての生徒が公平にテクノロジーを利用できるようになり、あらゆる教室で実現できることの可能性が広がりま
Appleのテクノロジーは、地区内の様々な学校で、革新的な教育を実践するための基盤となっています。バーサ・ショー公立小学校では、フランス語の読み書きと会話のスキルを伸ばすためにiPadを活用しています。生徒たちはiPadでフランス語の指示を聞き、それに口頭で答えてSeesawアプリに録音してから、その音声を聞き直して発音をチェックします。また、iPadを使ってショートビデオやストップモーションのアニメーションを撮影し、フランス語でナレーションをつけたりもします。このように幅広い学習方法を取り入れることで、生徒たちは従来型の作文練習にとどまらずに自分の強みに応じた活動に取り組むことができ、教師のみなさんも
ニュー・リスカード公立中学校では、生徒たちが今までにない革新的な方法で歴史の重要なテーマについて探究しています。例えば移民に関するプロジェクトでは、GarageBandやiMovie、Keynoteを使って、人々が母国を離れた要因(プッシュファクター)やカナダに移住した要因(プルファクター)に着目したポッドキャストや動画、プレゼンテーションを作成します。多様な生徒が学ぶこの地区では、これは特に生徒たちに関連性が高く、また一人ひとりに即したテーマです。iPadを活用して創造的に学習活動に取り組むことで、それぞれが学びを深めることができ
DSB1の高校生の間では、もっと本物の体験を通して学びたいという要望が強まっています。そこで、ティミスカミング地区中等学校(TDSS)の教師のみなさんは、古典文学の授業に現代的なアプローチを取り入れています。英文学の授業では、生徒たちはKeynoteを使い、シェイクスピア作品の文脈に当てはめてiMessage風のチャットのタイムラインを作成します。何百年も前に書かれた作品の登場人物たちが、現代ならどのようにやり取りするかを表現するのです。生徒たちは作品を読みながらApple Pencilを使って絵を描いたり、注釈を加えたり、複雑な文章を分解したりして、さらに自分の思考過程を説明するナレーションを追加します。このような分析を行うことで、大学レベルの授業にも自然と対応できる力が身につき
TDSSの生徒たちには、救急隊員になる方法を学ぶという独自の機会もあります。同校のヘルスケアプログラムでは、高度な訓練用マネキンとiPadを一緒に使い、臨場感のあるシナリオを用いて訓練を行うので、生徒たちはすばやく考えて正しい判断を下すことを求められます。このような本物の体験をすることで、生徒たちは、この機会がなければ接することがなかったかもしれない医療分野などの仕事に応用できるスキルを身につけることができ
DSB1では、iPadプログラムを開始して以来、生徒たちの授業への参加意欲が大幅に向上しました。卒業率が10%近く上昇したことがそれを証明しています。iPadを使うことで、生徒たちは小学校から高校、さらにはその先にわたって重要なテクノロジースキルを身につけ、好奇心を育み、創造的かつ独自の方法で自分を表現することができ