教育を変える。
未来が変わる。

世田谷区の中学校で校長を務める佐野氏は、1人1台のiPad導入を機に、区が推進する「せたがや探究的な学び」の実現を目指して自ら授業改善をリードしています。「当校で大切にしているのは、生徒が主役であること。そして、生徒が夢を自らの手で叶えられるようになることです。だからこそ生徒たちには、これからの社会にどんな変化があっても、自ら課題を解決して逞しく生きていける力を身につけてほしいと考えています」と佐野校長は言います。そのビジョンの実現を推し進めるため、これまでの授業のあり方を見直し、ICT支援員と連携しながら、学校全体でiPadを最大限に活用していくことを決めました。そのためには、教師のみなさん一人ひとりの協力が必要不可欠です。

「生徒たちには、新しいことに挑戦する大切さを普段から伝えているのですが、それは教師にとっても同じこと。失敗を恐れず、まずはどんどん使ってみようという意識を持ってもらうことが重要でした」と佐野校長は振り返ります。iPadを様々な場面で積極的に使うよう教師のみなさんに呼びかけることで、まるで文房具のように日常的に活用されるようになりました。「iPadは操作がシンプルで直感的に扱えるので、ベテランの教師でもスムーズに使いこなすことができました。また、学習に役立つ様々なアプリが最初から備わっていることや、一瞬で起動して使いたい時にすぐに使えることも、あらゆる場面でiPadを活用できている理由です」と佐野校長は言います。

校長のリーダーシップのもと、学校では様々な良い変化が起こっています。以前は一部の活発な生徒が主役になっていた授業が、iPadを使って全員の意見を共有できるようになったことで、消極的な生徒でも意見を発信しやすくなり、より授業に参加できるようになりました。また、学校の決まりを改善するための企画書を作成して、iPadを使って教師にプレゼンテーションするなど、生徒の主体性が高まったと言います。教師のみなさんにとっても、指導の効率化や働き方改革の点でiPadは重要な役割を果たしています。「情報共有が簡単になったことも大きな変化です。教師がその場にいなくても必要なタイミングで、iPadから生徒や学校の様子を確認できます」と佐野校長は語っています。

（2024年3月）